歴史探偵

趣味の歴史、地理ネタを中心にカルチャー全般、グルメについて書いています。

身のたけに合った書評

本「凡人のための地域再生入門」感想

地域活性化の、そしてビジネスの、”リアル”がわかる本。 地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門 作者: 木下斉 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2018/11/15 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 正論を吐…

本「ショパンはポップスだ 清塚信也のクラシック案内」感想

ピアニストが”演奏するように”語る音楽の本。 ショパンはポップスだ ―清塚信也のクラシック案内 (CD付き) 作者: 清塚信也(きよづかしんや) 出版社/メーカー: 世界文化社 発売日: 2009/03/28 メディア: 大型本 この商品を含むブログ (1件) を見る 人気ピアニ…

六本木で本に囲まれる”時間”〜文喫(ぶんきつ)・訪問記〜

どうせなら長時間過ごそう。 入場料のある本屋さん 場所は 六本木の交差点からすぐ アクセス情報(公式HPからの転記) 入館証代わりのバッジをつけて踏み入る 短時間なら外に出るのも可 書籍は3万点。この数は多いか少ないか 席を確保するのが生命線 ミーテ…

本「日本史のツボ」感想⑥〜日本はいつから一つなのか〜

日本史というものはない。地域史があるだけ?! 日本はいつから”一つ”なの? 自分は京都府の生まれで、20代後半までずっと関西にいました。普段は"日本は一つ"と何の疑いもなく日々過ごしてるんですが、東北とか行くとその感情が少し揺さぶられます。 その地の…

本「最後の秘境 東京藝大」感想

藝大で考えるアートとは。そして人間とは。 最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常 作者: 二宮敦人 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2016/09/16 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (12件) を見る 2016年発売 話題になったのは知…

本「戦乱と民衆」・感想&ポイントまとめ②

民衆は足軽にもなるし、悪事だってはたらく。 「応仁の乱」で大ヒットを飛ばした呉座勇一さんの章 足軽ってそんな単純なものじゃない 土一揆ってなんだろう? 「武士が味方する土一揆」「武士を倒す土一揆」 応仁の乱の時期に土一揆が消える不思議 最後に〜…

本「戦乱と民衆」・感想&ポイントまとめ①

語られてこなかった民衆のリアルな姿。 戦乱と民衆 (講談社現代新書)作者: 磯田道史,倉本一宏,クレインス・フレデリック,呉座勇一 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/08/22 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る サクサク読めるのに内容は濃い…

本「常磐線中心主義」序章・感想

常磐線は"東京の下半身"である。 常磐線中心主義(ジョーバンセントリズム) 作者: 五十嵐泰正,開沼博,稲田七海,安藤光義,大山昌彦,沼田誠,帯刀治,小松理虔 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2015/03/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を…

本「クラシック音楽とは何か」感想

とっつきにくい分野を俯瞰で見せてくれる実に良い本。 クラシック音楽とは何か 作者: 岡田暁生 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2017/11/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 必要に迫られて買った本が”当たり”だった ちなみに著者はこ…

本「知性は死なないー平成の鬱をこえて」感想④〜「人間」とはどういう存在か〜

躁うつ病とは何かーを通じて「人間」に迫る。 躁うつ病の経験から見えてきたこと 精神病理学と哲学から考える 精神病理学との出会い 精神病理学とハイデガー 言語vs身体 人間に迫る際の2つのアプローチ 日本の戦後の論壇の事例 21世紀の思想界は「言語」→「…

本「逃げられない世代 日本型「先送り」システムの限界」感想

"中立的、総合的に"日本の置かれた現状を知る。 なぜこの本を買ったのか? 元官僚だからこそ書ける事柄 先送りは日本の"システム"の問題 思考をスッキリさせてくれる視点の提供 いつまで問題を先送りできる? 逃げられない世代とは? 歴史意識がもたらす説得…

本「西野朗 勝利のルーティーン」感想

やはりコミュニケーションは大事。 勝利のルーティーン 常勝軍団を作る、「習慣化」のチームマネジメント 作者: 西野朗 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/01/23 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 西野監督にがぜん興味がわいてしま…

本「知性は死なないー平成の鬱をこえて」感想③〜患者の目から見たうつ病〜

うつ病を理解するのは難しい。 ”うつは「こころの風邪」”という表現の両義性 うつは意欲が低下するのではなくて、能力が低下する ”うつ状態”と”うつ病”―日常用語と医学用語が紛らわしいという問題 うつの人への声かけは難しい うつ病の原因の特定は難しい 新…

尊皇(王)攘夷の思想はどうして水戸から生まれたのか?

天皇を尊ぶ思想が徳川御三家から生まれた理由。 尊皇攘夷とは? すごく良い本に出会った!〜「五箇条の誓文」で解く日本史〜 西洋列強に対する危機意識 幕府・水戸藩に衝撃を与えた「大津浜事件」 幕末の志士たちに最も影響を与えた書物『新論』 鎖国=牧歌…

本「日本史のツボ」感想⑤〜軍事は総合力〜

南北朝時代から日本は兵站を軽視していた…。 日本人の遺伝病=戦略が下手 情緒の文明は軍事研究を否定する 歴史史料の軍勢の人数はけっこうエエカゲンなもの 戦争には「大義名分」が必須 戦争を遂行するためにも戦国大名は”経済”を重視した 日本人の遺伝病=…

本「日本史のツボ」感想④〜進化する武家政権〜

”土地の支配”という観点からみると戦国大名ってすごい。 銅銭 鎌倉幕府はなぜ滅びた? 滅びの理由① 貨幣経済の浸透 滅びの理由② 蒙古という外圧 滅びの理由③ 御家人以外の武士の台頭 中途半端な室町幕府 戦国大名のココが新しい! ※感想③からの続きです。 鎌…

本「日本史のツボ」感想③〜日本史を動かす土地の話〜

この本を読んで「荘園」というものがようやく分かった。 田植え直後の水田(茨城県) 「律令制」「公地公民」はフィクション? 「荘園」って要するに何ですか? 公有地=公領も仕組みは同じ 土地はいったい誰のもの? 鎌倉幕府は武士たちのコミニュティ この…

本「日本史のツボ」感想②〜日本人は何を信じてきたか〜

「安定」と「外圧」のはざまで。 ※感想①からの続き 日本の根底にあるのは「安定&まったり」の多神教 日本人は「安定&まったり」好みだから世襲原理もお好き 「安定&まったり」を脅かすのは「外圧」 「安定&まったり」な平安時代に宗教はどうなったか 鎌倉時…

本「日本史のツボ」感想①〜天皇はなぜ雅(みやび)な存在なのか〜

日本史のツボは気持ちいい。 日本史のツボ (文春新書) 作者: 本郷和人 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/01/19 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 歴史の面白さとは? 天皇の役割の変化〜王から天皇へ〜 「日本」ブランドを創生した3…

本「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」・感想

なぜ今、コミニュティなのか?コミニュティはどうすれば形成できるのか? WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book) 作者: 佐渡島庸平 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2018/05/09 メディア: …

本「稲の日本史」・感想

ニッポンの多様性のレベルを一つ上げる。 稲の日本史 (角川ソフィア文庫) 作者: 佐藤洋一郎 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/03/24 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 縄文・弥生の二項対立が消滅… イネのなかった時代 西日本では約6000年…

本「知性は死なないー平成の鬱をこえて」感想②〜「被害者」と「ごっこの世界」〜

あまりにも知的に誠実すぎるがゆえに。 キーワード① 被害者 韓国をめぐる「被害者性」 日本政治における「被害者性」 キーワード② ごっこの世界 補足:與那覇さんの実体験から~大学に集う「進歩的知識人」の実態~ 第1章の「わたしが病気になるまで」を取り…

本「知性は死なないー平成の鬱をこえて」感想①〜知性が敗北する時代〜

かつてNHK「ニッポンのジレンマ」で唸るほど賢いな、と思った人がいた。 知性は死なない 平成の鬱をこえて 作者: 與那覇潤 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2018/04/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 自分の”知的ヒーロー”の待望の…

マンガ「地方は活性化するか否か」・感想

1時間で「地方活性化」についての必須知識が手に入る。 地方は活性化するか否か (マンガでわかる地方のこれから) 作者: こばやしたけし 出版社/メーカー: 学研プラス 発売日: 2015/10/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 厳しい秋田県の…

本「関係人口をつくる」・感想

日本社会は成熟してきている。 関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション 作者: 田中輝美,シーズ総合政策研究所 出版社/メーカー: 木楽舎 発売日: 2017/10/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 最近、地方活性化、地方再生…

「漫画 君たちはどう生きるか」を支える”愛”

今、大ヒットしてるという「漫画 君たちはどう生きるか」。読んでみた。 率直に面白かったです。何度かグッと来たり、ちょっと泣けたり…。 この漫画の基になった同名の作品は書店にズラリと並ぶ岩波文庫の背表紙の一つとしてよく見かけていた。でもそのタイ…